2012年7月26日木曜日

外せない映画 48/100


インセプション    (2010)



ブログ副題 『極悪監督による極悪オチの映画』w

長文注意!




C・ノーラン監督のあの奇跡の映画

『ダークナイト』後の新作ということで

期待が大きく公開初日の初回に観に行きました。


ただ勢い勇んで観に行った割には期待が大き過ぎたのでしょうか

正直、最初観た感想は微妙でした。

決してつまらないわけではなかったのですが

物凄く面白いかというと・・・・う~ん、それはちょっとな~。。


強いて言えば中の上、上の下といった感じでした。



理由はただひとつ

頭の悪い自分では、あまりに説明不足な感じで

いや説明はあったのかも知れないけど見落としたかなんかで

設定がイマイチ分からなかった事


消化不良というか、なんとういうか。。。






で、それも悔しいので劇場に2回行きました。


観に行ってまた分からなかったじゃ済まされないので


ネタバレサイトも少々見て、予備知識を頭の中に入れて。。






結果分かった事


そして更にブルーレイを買って観て確信したこと


それは、これトンデモナイ映画だということ。




こんな映画は人生で初めてです。








噛めば噛むほど味が出るとは言いますが


この映画は観れば観るほど真実が見えてくる


そんな映画です。


真実が分かるにつれて


一気に外せない100の映画入りとなりました(笑)


もしかしたらベスト10にも入るかもしれません。







初見の時の私と同じく設定が分かりづらくて

ちょっと微妙と思った、

なんだよ!メデタシめでたしのご都合映画じゃねーかと感じた 

そこのあなた

私が一丁前にネタバレヒントをお教えします。

それでもう一度観て下さい。

驚きの映画となるでしょう。



この作品は主人公コブと

実は観客にインセプションする映画なのです。

観客を騙す映画は数あれど、

この『インセプション』は他の騙し映画とはちょっと趣向が違います。




興味のある方はこの下の続きをどうぞ。




『ダークナイト』と『インセプション』のハンス・ジマーのサントラが、これまたいい






以下 


外せない映画、初のネタバレ有りなので注意!

ただ、この作品は多少のネタバレあってもビクともしない作品


私のネタバレ文読んでも、この骨太作品は楽しめる事請け合い。



けど、これから観ようと思ってる方


また既に観たけど、


そこまでテメーが言うならもう一回観てやろうと思う方は

ここから先見ないで下さいw










↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


では、スタート!




よくネタバレサイトやレビューで言われてる事で

また観た人の多くはラストシーンを現実だと思ってる方、多いと思います。

めでたく、ミッションも成功し、モルの幻影からも解放され

救済された主人公コブは、長年離れて暮らしていた

子供たちと再会するあのエンディングシーンです。


迷いのあるコブは一応現実か夢かの判断の為に

自分のトーテムであるコマを回しますが

振り向いてくれた子供達に我慢が出来なかったのか

最後まで確認せずに子供たちの所に駆け寄ってしまいます。


コマは回り続けるが、そのうち失速して

止まってしまうかのような所で暗転して

エンドロールとなりハッピーエンドのように終わりました。


コブの救済がテーマだとすると、あれを観客が現実と思うのも自然です。

実際コマはあの後に倒れたかのようにも見えます。

自分もそう見えました。

それに現実支持派の方の主張理由に

あれが夢だったら、超救いようのないダメ映画になると怖れる人もいます。

また、夢でも現実でもどっちでもいいじゃんと仰る方も少数ですがいます。


コマが倒れるか倒れないかハッキリさせないまま暗転させて

エンドロールしてるのをみると、

夢と現実どちらとも取れる演出になってるのも事実です。



更に肝心の監督C・ノーランはラストの夢か現実かの判断は

ご覧になった観客の方々にお任せしますみたいなことを公式にコメントしてます。


が、   

はっきり言ってチョー大うそです(笑)

はっきりと意図して作ってます、この男。


クリストファー・ノーラン監督



大体過去作品全部観てる私からすると、

この人、観客騙すの得意ですから(笑)

それもシックス・センス、ユージュアルサスペクツのような

最後に騙しましたとスッキリ分かるような話ならいいのに

その辺ボカして、コブにインセプションするならまだしも

観客にまでインセプションして更にコメントまではぐらかすとは。。

この監督最悪ですよ。


極悪ノーラン君



そう、この映画最初から最後まで『夢』なんです。

大事な事なので、もう一度言います。

この映画は主人公コブ(?)の夢です。完全夢オチです。


夢オチは救いが無さすぎるからと怖れてた方、ご愁傷様です。

極悪ノーラン君はそんなに甘くはないです。。



ここまで読んで、なぜ夢なのか?

自力で解明したい方は、まだ間に合います。

ここで読むのを止めて、すぐにチャリでレンタル屋に直行か

ネットでダウンロードを大至急行ってください。

今だと iTunesなら1000円でダウンロードできますよ。



では理由を書きますが、あんまり詳しくやると

とんでもない量の文章になるので簡単に書きます。


あと安心してください。

この映画の根幹とも言える、ラストの夢オチが分かったとしても

他にも沢山の伏線と伏線回収、

そして、想像で楽しませてくれる要素盛りだくさんのこの作品は

かなり楽しめます。


想像で楽しませる、

その点ではノーランの観客の判断にお任せは

あながち間違っていないかもしれない。


ただ夢オチは確定です。

想像で言ってるのではありません。

確定する場面があります。



正直言います。


映画開始早々5分もしないうちに


ラストシーン含めすべてが『夢』だと


確定するシーンがあります。



映画の最初の導入部シーン憶えてますか?

浜辺に横たわるL・デュカプリオ演じる主人公コブが

リンボーに落ちた渡辺謙演じる老サイトーの所に連れて行かれて

城みたいな屋敷で対面するシーンを。


あの時に老サイトーはコブが持っていたトーテムのコマを見て

弱々しい声でこう言います。


「これを遠い昔に見たことがある。夢で会った男が持っていた。」


、そしてコマを回す。




分かりましたかね?


コブの事を「夢で会った男・・・・」と言ってます。


サイトーがコブと会ってたのは夢の中だったんです。



どうでしょう?

監督ノーランは開始早々に堂々と答えを放り込んでます。

本当に厚かましい男ですね(笑)


レオ様登場で目をウットリさせてたか浮かれてた女性の皆様に

おおお独眼竜正宗の老けメイクすげぇ~と感心した男性の皆様

そんな、とっても余計な事に気を取られてる間に

極悪ノーラン君にしてやられてます。この時点で敗北でございます。




え?何かの間違い。ただ単に老サイトーがボケてる?




諦めきれないご愁傷様組からはこんな声が聞こえてきそうですが


ノーランはこの作品を10年掛かりで脚本を完成させてます。


大うそつきなので話半分としても5年です(笑)


5年も掛けて我が国を代表する俳優 渡辺謙に


ボケ話をさせるとは思えません。


あんな精巧なメイクしてボケ話の演技させられてたらギャグになります。


後世渡辺謙を見る度に爆笑することになるでしょう。




「夢であった男・・・」これは確信犯的描写。


もう一度聞きます。いかがでしょう。。。?






それと、ここで止めたいところですがもう一つ。




夢か現実の判断にトーテムを使う。


映画を観た方はこれ分かりますよね。




コブの場合はトーテムであるコマを回して




夢ならコマは回り続ける


現実ならコマは倒れる




でコブは夢か現実を判断します。 観客の自分達もそう思ってます。




でも、これホントですかね?


でも、これホントですかね?


でも、これホントですかね?


山彦。。。



夢か現実かの判断に使うトーテムが、

その役目を果たさない場合の説明が

劇中のアーサーとアドリアネの会話で説明されてます。


要約すると

トーテムは他人に見られてはいけない

トーテムは他人に触られてはいけない


他人にトーテムの形や材質、重さを知られてしまうと

夢を共有した時に他人に操作されてしまい、

その役目を果たせなくなるという事でした。

つまりトーテムは見られたり触られたりすると

トーテムが夢か現実かの判断材料にならない事を意味します。





アドリアネは自分のトーテムのチェスの駒をコブに

見せてはいるが触らせるのを拒否してるのを見ると

他人に見られるのはまだしも

触らせるのは御法度で致命的なのが窺える。


ここで記憶のいい人は ピンときた人もいると思う。

調合師のユスフのところで鎮静剤を試したコブが

目を覚まして、今いる世界が夢か現実かを洗面所で


判定してる時に、床に落ちたコマを後から来たサイトーが見たことを。


ちゃんとサイトーが視線をコマに向けてます。


懇切丁寧な演出ですね。


ここで第一段階のトーテムを見られてしまうが完了。






次にコマが誰かに触られたらもうコブはアウトです!


誰かにトーテムを操作されてしまい


コブは現実か夢かの判断を自身のトーテムである


コマに託すことは出来ません。トーテムが機能しなくなります。




カンのいい人はアーサーとアドリアネの会話シーンを観て


この伏線回収が後々されると思った事でしょう。






では第二段階のトーテムを他人に触られるのはどこで?


そう思うのが自然です。


私も初見の時はこの伏線に気付いて


回収はどこだろうと思いました。












が、しかし・・・・


洗面所でのシーンとアーサーとアドリアネの会話以降に


第三者にコブのコマが触られる描写はありません。




ないんです本当に。全く。




おかしいですよね。




説明しときながら、その伏線が回収がされてない。




普通映画は伏線が提示されたら、後々回収されるのが当たり前です。


それがセオリーです。


が、ないんです、この映画。そのままエンディング迎えます(笑)




この事を激しくブツクサ言ってるブロガーやレビュアーがいましたが


致し方ありません。 伏線回収が行われてないのですから。。。






ノーラン敗れたり~ 日本刀で謙さん、叩っ切ってくれ~


と、思いました。最初は。。。。。








しかし極悪ノーランやってくれました。






あるシーンで見事に触られてました。コブちゃんの大事な大事なコマ。。



あ!!!

と思った方もいると思います。




そうです。







映画開始早々5分で老サイトーが


「これを遠い昔に見たことがある。夢で会った男が持っていた。」

と言った、あのシーンです。

セリフを言った後に老サイトーはコブのコマを回してます。

めっさ触ってます。人の生きるか死ぬかぐらい大事な物を。

しかも回して遊んでやがる。



伏線の回収を先にやって、伏線提示を後にやる



そんなの分かるわけねーだろー鬼ノーラン様でございます。


凸(▼ー▼)凸 






ということで、まとめると


第三者にトーテムを触られた以上、操作される可能性が出てきたので


夢ならコマは回り続ける


現実ならコマは倒れる   


と思われてた、この二大法則が物の見事に壊れ






夢でもコマは倒れる(可能性)という

劇中では公にされない要素が生じてきます。






そうなると劇中でコブが現実か夢判定してたのも


全てが信ぴょう性を根底から崩されることになり


劇中のコマが倒れてコブが現実と安心してる描写も


ホントかどうか分からなくなります。


なんちゅう映画だ、しかし。




ちょっと待って!


ハイ、どうぞ。




老サイトーとコブの対面シーンでコマに触ったのは物語の終盤で


冒頭の対面シーンは回想シーンだから劇中の


コブの夢・現実判定には影響されないのではない?




と考えますよね、普通。






自分もここが悩みどころでしたが


これはあるブロガーの分析でスッキリしました


それは最初と最後の老サイトーとコブの対面シーンは


同じ対面シーンに見えても同じではなく別なんです。



おかしいよソレと思う方は再度観比べて下さい。

その証拠に同じカットでも老サイトーのセリフ違いますから。


さっさと結論を言わせてもらうと

これはリンボーの無限ループから抜け出す描写だったんです。

冒頭の対面シーンは抜け出せずにやり直し

終盤の対面シーンは抜け出せて飛行機の中でお目覚め!


なんで無限ループ的な事になってるかは

書くと大変な量になるのでここでは省きます。

知りたい方は自分で頑張って調べてみてね。


夢でもコマは倒れる。。。

再度観る方はこれを念頭に置いて観て下さい。











どうでしょう、ノーラン監督は見事に




夢ならコマは回り続ける



現実ならコマは倒れる



と観客にインセプションに成功させ、同時に


夢でもコマは倒れるという要素を同時進行させていたのです。


知らないのはコマで夢現実判定を無効にされたコブちゃんと観客だけ。





ラストシーンについて戻ります。


ラストシーンのコマが倒れそうに見えるのも関係ないと言ったら


身も蓋もないですが、


倒れたからといって現実とは限らないよと、


ノーランが言ってるようでならないです。





もしノーランがその気ならコマが倒れるところまで


キッチリと観客に見せて


ハッキリと現実だよと観客に思わせて劇場から帰らせることも可能だったはず。


でもそれをやって後日ネタバレサイトで


観客が真実を知ろうもんなら、極悪確定ですもんね。


ノーランも良心が邪魔してそこまでは出来なかったのかも(笑)




第一段階のトーテムを見る

第二段階のトーテムに触る

が行われ

コマでの夢現実判定が機能しなくなっていたのは紛れもない事実です。

尚且つ老サイトーの「夢の中で会った男・・・」発言。


いかがでしょうか?

ラストシーン含め最初から最後まで全てが夢だと思いませんか?


大体、サイトーって何者?

航空会社ポンと買ったり、電話一本で犯罪歴消すことが出来たり。。

依頼主で金持ちのくせにわざわざ夢作戦に飛び込んでくるし。。

作戦自体もチャンチャラおかしい(笑)そんな事で会社潰せるかよ(笑)


全ては原因はどうであれ重度の夢中毒に陥って

目覚めないコブを救出(救済)する為の夢作戦。


夢だからこそできる、行動的な謎の人物サイトーとチャンチャラ作戦。

ミッション成功して飛行機到着してからの空港の描写もおかしい。

みんながコブのトラウマ解放を喜んでるようにしか見えない。







それに、あの夢共有装置ってどんな仕組み?

劇中全く説明がない。おかしい。。




コブは解放され子供達と再会の後、眠りから覚めるのでしょうか?





ここからは想像だけどコブが夢中毒から目覚めたら

案外死んだはずの奥さんモルがいたりして。

そしてその横には義父の教授と医学博士のサイトー

助手のアーサー、アドリアネ、ロバート、イームス以下、

皆が笑みを浮かべて病室に立ってるのかも。


そう思えば更にハッピーエンドとして受け入れられるし

モルと子供達、もうニ度と夢共有装置なぞ使って快楽に耽ることなく

家族揃って幸せにこれからを過ごす。

そう合って欲しいとさえ思う。

いやきっとそうなのだろう。パチパチ8888888拍手拍手。。






でも、






でも、




いずれにせよ、もしそうならば

夢共有装置の説明がされなければ、、、、、、

いや夢共有装置なんて現実にはありえない。。。


夢共有装置なんて夢の中だからこそ出来る代物。


あ     という事は。。。。




やっぱり極悪監督による救いのない極悪オチ映画か?

ノーランなんなんだー????

あとは興味のある方は各々で考察してみて下さい。



90%以上の観客にインセプション成功で、してやったりのノーラン君



あ それとノーランと言えば

脚本、演出、音楽、テンポ全てが奇跡的にまとまった

ホント奇跡の映画、あのダークナイトの続編『ダークナイトライジング』が

今週末から公開になりますね。


昨日一足先にジャパンプレミアで観てきました。

ネタバレするなと色々な人から言われてるので一切書きません(笑)


ただひとつだけ書かせてください。




















見るな
















後悔するぞ





























見るな
















いいのか?
















書くぞ












知らんぞ











































アン・ハサウェイがメチャメチャ可愛い。









我がブログ始まって以来の長文

ここまで読んでくれてありがとう

4年も一行日記みたいな短文ブログ書き続けてると

長文書くのが恐ろしく困難でした(笑)

乱筆乱文をお許しを。


本当に、こんなしょーもない物、ご拝読ありがとうございました

こんな長文金輪際書きません。疲れた。。。